
Turk Kabay
(チュルクのゆりかご)

『Guardians of Fire』(=炎の守り人)
アルタイ山脈…多くの時代に渡って、この地では海が荒れ狂い、火山が噴火し、山々が崩壊し、何度も生まれ変わり成長しました。歴史的、文化的、考古学的文明の交差点であるこの地で、3つの世界宗教が融合し、神聖な輝きに満ちた特別な文化が形成されました。その貴重な文化的遺産は、今日世界から注目を集めています。
アルタイの歴史は、英雄の物語と神秘的な伝説で紡がれています。生活の隅々にみられる古代の伝統や風習は、今日に至るまでこの地に住む人々の精神文化の基礎となっています。先祖から受け継いだ知恵と信仰の火を何世紀にもわたって守り続けているのは、アルタイの伝統的な喉歌、アルタイ・カイチの演奏者たちです。彼らは今でも人々から深い信頼と尊敬を集め、精神のよりどころとなる権威を誇っています。カイは最も古い音楽ジャンルであり、その独特な演奏方法と道徳的・哲学的な内容によって、深淵で純粋な感動を呼び起こします。カイは数日間続いて演奏されることもあります。カイチは職業ではありません。カイチは、アルタイの人々の古くからの伝統に対する忠誠心であり、それを守り子孫に伝えたいという熱烈な願いを体現するものなのです。カイチの伝統は今日に至るまで人々によって守られています。
コンサート・プログラム「炎の守り人」では、アルタイ民族音楽グループ「チュルク・カバイ」の創造性を紹介します。
グループの創始者であるボロット・バイルシェフは、ロシア連邦とアルタイ共和国の名誉芸術家であり、伝統的なアルタイの喉歌の世界的に有名な演奏家であり、アルタイで最も有名な音楽家の一人です。ユネスコの「民族文化の保存と振興のための特別賞」を受賞しています。彼は4本の映画に主演した他、アクション大作「ピラニア・ハント」のサウンドトラックを制作、またジョー・ザヴィヌルなど世界的なミュージシャンと共演しています。世界各国のフェスティバルにも多数参加しています。コムス、トプシュール、ショールといった民族楽器を演奏する名手です。
「チュルク・カバイ」は他にアイダル・ウナトフとヴァディム・デーエフが参加しています。2人ともM.S.シェプキン演劇学校の卒業生で、P.V.クチヤック国立演劇劇場のアーティストです。アイダル・ウナトフは、国際コンクールやフェスティバルで受賞歴のある民族音楽のヴィルトゥオーゾであり、幼少の頃から喉歌と民族楽器の研鑽に励んできました。ヴァディム・デーエフもアイダルと共に、ソチ、モスクワ、スペイン、フランスで開催された様々な国際民族芸術祭や全ロシア民族芸術祭に参加し、タイトルや賞を獲得しています。2人は共に民族音楽グループ「アルタイの語り部」の一員として10年近く演奏活動を続けています。
コンサートでは、英雄物語「マーダイ・カラ」、「オチー・バラ」からの抜粋、アルタイの伝統的な歌、動物や自然の音の模倣、アルタイ語とロシア語による現代的なリズムやスタイルのエスノロック、ジャズやブルースと組み合わされた喉歌、器楽曲などが披露されます。
喉歌カイ
演奏される楽器:トプシュール(3弦の撥弦楽器)、コムス(口琴)、イキリ(2弦の擦弦楽器)、ショール(縦笛)、トゥヌール(シャーマン太鼓)